おすすめ本のご紹介「なるほどデザイン」
今回の山陽マガジンでは、私が読んで良かったと思った本「なるほどデザイン」をご紹介します。
デザインについて学びたい初心者の方や、デザインに興味のある方にとてもおすすめです。
デザインはただ綺麗に見せるためのものではなく、目的を達成するためのもの。
でも「目的に合ったデザインって、どういうこと?どう作ればいいの?」と疑問に思ったことはありませんか?
この本では、目的に沿ったデザインの作り方やプロセスが、デザインの見本を使って分かりやすく紹介されています。その他にも、デザインする上でのポイントや、書体や文字組み・色に関する知識なども幅広く知ることができます。
今回の記事では、この本の一部をご紹介したいと思います。
目的によって最適なデザインは異なる
何を、どうして、誰に、どうやって伝えたいのか、その意図を知らないままでは、写真のサイズひとつ決めることができません。
「なるほどデザイン」9ページより
最適なデザインは、目的によって異なります。大切なのは「目的を深く理解して、それにふさわしいデザインを追求すること」だと著者はいいます。
本書では「朝ごはんを紹介する雑誌のページ」をテーマに、デザインの見本を紹介しています。「朝ごはんを紹介する」という点は共通ですが、ターゲットと目的が異なる、複数の見本が掲載されています。目的によって最適なデザインが異なることを、見本を見て理解することができます。
たとえば、初心者向けに朝食レシピを紹介する場合。
目的は「料理に不慣れな人でも簡単に作れるように説明する」ことです。紙面は見た目の楽しさよりも、調理手順の分かりやすさが重要です。そのため見本として掲載されているデザインは、整然としたシンプルなレイアウトになっています。
次の見本は、料理好きな女性がターゲットの雑誌。朝食の様々なアイデアを楽しく見せ、新しいレパートリーを見つけてもらうことが目的です。
見本のデザインは、整然とした分かりやすさよりも見た時のワクワク感を重視した、賑やかでメリハリのあるデザインになっています。
ダイジ度天秤
全てを伝えようとするデザインは、結局のところ、何も伝わらないデザインにしかなり得ない。
「なるほどデザイン」45ページより
一つのデザインの中で伝えたいことが多く、「あれも入れたい、これも入れたい」となってしまうことはあると思います。しかし伝えたいことすべてを入れようとすると、結果として伝わりづらいデザインになってしまう、と著者はいいます。
要素が多すぎる場合は、重要度の低いものを削り、数を絞り込みましょう。
例えばコートを紹介する内容なら、一番の長所は価格の安さなのか、品質の高さなのか、カラーバリエーションなのか?逆に「売り」として弱い部分は何か?……といったように比較します。
数を絞り込んだ後、残った要素も「ダイジ度天秤」にかけます。そして一番大事な要素を決めて、その要素を強調するようデザインします。
まとめ
本書の一部を紹介させていただきました。他にも、目的に沿ったデザインの作り方や制作の流れ、デザインする上でのポイントなど、様々な内容が書かれています。見た目もビジュアル中心で、とても読みやすいですよ。
気になった方はぜひ!
データ
著名:なるほどデザイン
著者:筒井美希
出版社:株式会社エムディエヌコーポレーション
amazonで見る